2020/01/27 10:52
TSUKIKUSAでメインに使用している革は、「ミネルバリスシオ」という革で、イタリア、フィレンツェで製革されている革です。
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植物タンニンなめしの革の中でもトップレベルの透明感のある美しい色合いと、滑らかな手触り。
ハリと柔らかさという一見相反するものが同居する独特の質感。
そして、深みと艶が生まれるエイジング。
革好きを魅了する要素に詰まった革です。
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そんな革だからこそ、革が元々持っている傷やシミなどが多い(*正確に言うと、目立ちやすい)革でもあります。
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今回あげた写真はあえて、その傷やシミがはっきりとついている部分です。
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基本的にはこういう部分を極力避けながら、それでいて無駄がないように、製品の完成形をイメージして、裁断をしていきます。
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革により千差万別で、一概には言えませんが、往々にして、傷が多い部分は繊維が詰まっていて、硬さのある特に丈夫な部分だったりもするので、アイテムによっては表に見えない土台のパーツとして活躍する場合もあります。
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つくり手によって考え方も様々で、こういった個体差をあえて一点モノとしてアート的に楽しんだり、付加価値と捉える方も多くいます。
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ただ個人的には、一枚一枚、大きさも、形も、表情も、硬さも、繊維の詰まり具合も違う素材を使いながら、出来る限り均一な製品をつくるというところが楽しさ、やりがいだったりもします。
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もちろん一枚まるまる綺麗な革の方が材料ロスも少ないですし、短時間で裁断が出来るので良いのですが、こういう傷が目立つものほど、何をどう無駄なくとろうかとモチベーションが高まるのも事実です。